くもりのち私。

交通事故を起こさないための方法とは?安全運転には何が必要か

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長年トラックドライバーをしていると、毎日のように交通事故を見かけます。

中には目を覆いたくなるような事故もあるし、翌日にはたくさんの花が供えてあることも。

 

できることなら交通事故を起こしたくないというのは、誰もが思うこと。

そう思っていながら事故を起こす人もいれば、願いどおり事故を起こさない人もいます。

 

では、交通事故を起こさないための方法とは?

今回はトラックドライバーで培った経験から、事故を起こさない運転のコツをお伝えします。

 

交通事故を起こさないための方法とは

 

もらい事故の場合は別として、自ら交通事故を起こさないために最も有効なのは、「道路交通法を守ること」。単純明快です。

 

考えてみれば当たり前の話ですよね。

自動車・バイクはもちろん、自転車も歩行者もみんなが道路交通法を守っていれば、機械の故障でもない限り事故が起こるはずがないんです。

 

それでも交通事故が起こってしまうのは、ミスや違反があるからです。

 

運転免許を取得して車やバイクを運転する以上は、道路交通法をすべて理解しているものとみなされています。実際には覚えていないことも多いのが現実ですが、いざ事故を起こしてしまったときに、それは通用しません。

 

私も調べなければ正確にわからないことがまだあると思いますし、警察官でさえ覚えていないこともあります。

 

すべてを熟知することは難しくても、交通事故を起こさないための最低限の道路交通法は覚えておきましょう。

 

守らなければならない最低限のこと

 

すべての道路交通法は守らなければいけないのですが、その中でも特に「守られていない」と私が感じるものを挙げます。信号や制限速度などは言うまでもないので除外しています。

 

◆車間距離

多くの交通事故は、車間距離さえ取っていれば避けられると私は思っています。

前の車との距離があれば見通しも良くなるし、急ブレーキをかけられても止まることができます。

脇から出てくる車にも気づきやすいし、何よりも心にゆとりが持てます。

 

高速道路の追い越し車線であまり車間を取らずに走っている車がたくさんいますが、なんで他人をそんなに信用できるんだろう、と不思議に思います。前の車が急ブレーキをかけない保障なんて、どこにもないのですから。

 

かつて私は高速道路を走っていて、前のトラックが突然進路変更をするという経験をしました。

その車が退いたすぐ先にあったものは、冷蔵庫を梱包するようなサイズのダンボール。

車間距離を取っていたおかげで私も避けることができましたが、もし車間を詰めていたら、間違いなくダンボールに突っ込んでいました。

別の日には、一般道で前のバイクがいきなり転倒したこともあります。車間距離を取っていて本当に良かったと思ったものです。

もちろん車間が広いと割り込まれることはよくあります。

確かに割り込まれると気分が悪くなる気持ちはわかりますが、私は割り込まれたらその分また車間を取ります。苛立つけれど、自分の安全のほうが大切ですから。

 

ちなみに私が免許を取りに行った際、教習所で言われた言葉があります。

 

「安全な車間距離とは、前の車が急ブレーキをかけたときに止まれる距離じゃない。前の車が何かにぶつかってビタ止まりしても止まれる距離のことだ」と。

とてもわかりやすい説明だと思っています。

 

◆横断歩道の歩行者優先

信号のない横断歩道では、本当にうんざりするぐらい止まらない車だらけです。

こちらが歩行者に気づいて止まっていても、対向車線を走る車の8割は止まらないといっていいほどです。

 

横断歩道は歩行者優先です。

 

歩行者が横断歩道を渡ろうとしていたら、止まるのは車両の義務です。止まらなければ違反なんです。

 

横断歩道に歩行者がいたから止まったのに、後ろからクラクションを鳴らされたこともありますし、ひどい時は後ろの車が捲くってきて、危うく歩行者が轢かれそうになったこともありました。

 

交差点の右左折時も、歩行者の確認をしてから開始することが大切です。

青信号で横断歩道を渡っているのに事故に遭ってしまう歩行者の気持ちを考えてください。

何の落ち度もないのに、場合によっては命まで奪われてしまうのです。

 

 

◆側方通過

教習所で必ず習うはずですが、覚えていない人が多いのが側方通過です。

以下に引用します。

 

【道路交通法第18条】

 

2.車両は、前項の規定により歩道と車道の区別のない道路を通行する場合その他の場合において、歩行者の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行しなければならない。

 

教習所では「可動物」と「不動物」として習いました。

「可動物」とは、歩行者や自転車、バイク、駐車中の車両など、動く可能性のあるものを指します。可動物の側方を通過する際の安全な間隔は1m以上です。

 

「不動物」は建物やポスト、明らかに人が乗っていない車両など、動く可能性のないものです。不動物の側方を通過する際の安全な間隔は0.5m以上です。

 

歩行者の側を通るときは、安全な間隔が保てない場合は徐行しなければいけないのです。

「徐行」とは、いつでも止まれる速度です。AT車ならアクセルを踏まずクリープだけで十分です。

 

法令に従えばこのとおりですが、私は自転車の横を通過する際には2mは取るようにしています。なぜなら、いきなり自転車ごと車道に倒れた人を見たことがあるからです。

 

◆一時停止

道路を走っていて感じるのは、一時停止をしない車の多いこと多いこと……。

停止線で止まったら、後ろからクラクションを鳴らされたことすらあります。

 

一時停止は、停止線の直前で「停止」しなければなりません。

停止線がない場合は、「止まれ」の標識の手前です。

 

たとえ交差する道が見えなくても、です。

 

「停止」とは、「車輪がすべて止まる」こと。惰性で動いているのは停止ではありません。

 

停止線で停止したら、交差する道の交通が見えるところまで注意しながら徐行します。

それから左右の安全を確認して、はじめて交差点に進入できるのです。

 

停止線で止まらずに交差する道路が見えるところまで普通のスピードで進むと、どうなると思いますか?

 

勢いよく曲がってきた車や自転車と衝突してしまうのです。

 

徐行していれば、それを避けられる確率が大きく上がります。

一時停止をしないまま交差点にまで進入するのは言語道断。車道に出る前に歩行者や自転車と接触するリスクが格段に上がります。

 

なお、この停止線が交差点よりずっと手前にある場合がありますが、ちゃんと理由があります。

それより先の位置に車両がいると、交差する道路から来たトラックなどが曲がれないんです。

 

こういった停止線が手前にある交差点では、カーブミラーが設置されていることがほとんどです。

 

必ず停止線で一時停止して、曲がってくる車両がいないことをミラーで確認してください。

ミラーがなければ、停止線で一時停止したのち、ゆっくりと見えるところまで前進してください。

後から後から乗用車が出てきてなかなか曲がれないという経験は、トラックドライバーなら誰もがしています。

 

交通事故を起こさないための心構え

 

私が車を運転する際に、道路交通法を守ること以外にもうひとつ心がけていること。

 

それは、他人を信用しすぎないことです。

 

もちろん交通は、他人を信用することから成り立っています。

赤信号で他人が止まると信じ、線を引いただけの道路から飛び出してくる対向車はいないと信じ、中央分離帯のある道路を逆走してくる車はいないと信じる。

そうしなければ、怖くて運転なんてできません。

 

ですが、それでも他人を信用しすぎては、事故を防ぐことはできません。

たとえば、こんな経験はありませんか?

 

  • 右折待ちをしていて、信号が赤に変わろうとしたところに直進車が突っ込んでくる
  • こちらはそれなりに速度が出ているのに、脇から車が強引に出てきた
  • 十分な余裕を持って車線変更をしようとしたのに、合図を出したら詰められた

 

こんな人、首都圏の道路を半日運転していれば、最低でも1回は出会います。

 

ですから私は、まず疑います。

教習所で習う「かもしれない運転」ですね。

でも「かもしれない」なんて優しい言葉より、「他人を信じすぎない」の方が適していると思います。

危ないと思ってクラクションを鳴らしただけで、追いかけてきて暴行を加えるような人がいる世の中です。

相手の運転技術だけでなく、人格までも信用しないというのは寂しいものではありますが、自分の身を守るためにはとても有効だと思っています。

 

だからこそ、譲ってもらったときはとても嬉しく感じるものです。

 

 

まとめ

 

  • 交通事故を起こさないための方法は、道路交通法を守ること
  • 交通事故を起こさないために、守らなければならない最低限のこと
  • 車間距離
  • 横断歩道の歩行者優先
  • 側方通過
  • 一時停止
  • 交通事故を起こさないための心構えは「他人を信用しすぎない」

 

交通事故は、被害者だけでなく加害者にとっても、人生を変えてしまうかもしれない恐ろしいものです。

自分が事故を起こすと思って事故を起こす人は、まずいません。

自分は大丈夫。その気持ちの緩みが事故を招きます。

 

あなたが運転しているその車は「走る凶器」です。

そのことを忘れずに、常に安全運転を心がけましょう。