くもりのち私。

自転車の交通ルール、ちゃんと知ってる?違反すると罰則も!

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免許がなくても気軽に運転できる車両、自転車。

初めて補助輪なしで自転車に乗れた日の喜びは、今でも覚えています。

 

小さな子供でも運転することができる自転車ですが、実は道路交通法をちゃんと知らずにいると、とても危険な乗り物でもあるんです。

 

私はトラックドライバーですが、普段見かける自転車の半数以上は簡単に違反をしています。

道路交通法を知らずにいると、もし事故に遭っても過失割合が10:0にならないこともあるだけでなく、歩行者に怪我をさせてしまえば賠償責任を負わなければならないことも。

 

そうならないように、自転車の交通ルールを覚えておきましょう。

 

自転車は法令上「軽車両」

 

どこでもスイスイと走っていける自転車ですが、道路交通法では「軽車両」に分類されます。

軽車両の定義は、エンジンなどの原動力を持たない車両。

自転車の他には、リヤカーや馬車などが分類されます。まあ、馬車なんてまず見かけませんが。

 

じゃあ電動自転車はどうなるのかといえば、電動アシストなら軽車両です。つまり、人間が漕がないと動かない場合ですね。

漕がなくても電気だけで動くようなら、原動機付自転車。いわゆる原チャリになります。

 

軽車両も「車両」なので、たくさんのルールがあります。

「道路標識なんて自転車には関係ない」と思っていると、知らずに重大な違反をしてしまうかもしれません。

自転車に乗るときは、道路標識や道路標示も確認しましょう。

 

「左側通行」はとても重要なルール

ニュースなどで取り上げられたことで、自転車は左側通行だと知った方もいると思います。

これ、実はとても重要です。「だって目的地が右側にあるんだもん」なんて簡単に考えると、とても危険なんです。

ドライバーの立場からすると、「頼むからこれだけは守ってくれ!」と叫びたくなるのがこの「左側通行」なんです。

 

自転車は道路交通法上で「車両」ですから、左側通行です。

例えば乗用車がすれ違うのがやっとの狭い路地で、左側通行を守らないとどうなると思いますか?

前から来る自動車と完全にお見合い状態になり、身動きが取れなくなるんです。

 

自転車が左側を走っていれば、自動車は対向車が途切れたときに抜いてくれます。

だけど自転車が右側を走ってしまうと、どちらかが下がらないとどうにもなりません。

 

狭い路地ならまだしも、そこそこの道幅がある道で、もし車も自転車もスピードが出ていたら……?

 

正面衝突です。間違いなく怪我をします。

自転車に右側通行をされると、対向車がいたら車は右に避けられないんです。

 

これ、本当に多いです。

片側一車線の道路でトラック同士がすれ違うとなると、道幅に余裕はほとんどありません。

そんなときに前から自転車が来たら……!

自転車を避けるためにトラックが正面衝突すればいい、なんてわけはありませんよね。

ちゃんと自転車が左側を通行していれば、トラックは対向車が途切れるまで自転車の後ろを走りますから、何の危険もないんです。

自動車にとって前から来たのが歩行者なら、歩行速度も読めますから対向車が通り過ぎるのを減速して待つことができます。

でも、自転車はスピードがあるのですぐに近づき、お見合いになってしまうのです。

しかも右側通行をしている自転車って、左側通行の義務を知らないからか、避ける気が全くない人がほとんどなんです。

 

道路交通法が定められているのには、ちゃんと理由があるんです。

自転車の通行区分違反(逆走)は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

 

歩道は原則として通行禁止

自転車は「車両」です。歩道は歩行者が通る道ですから、原則として自転車の通行は禁じられています。

ただし「自転車通行可」の標識がある場合は通行できます。

また、運転者が13歳未満や70歳以上の場合、障害者の場合は歩道の通行ができます。

その他にも、車道を通行すると安全の確保が難しく、歩道を通行することが止むを得ないと判断されるときは、自転車も歩道を通行することができます。

交通量の多い車道や、路上駐車が多い車道などが該当すると考えられます。

 

とはいえ、歩道を通行する際には条件があります。

 

「歩道を通行する歩行者を妨げない」

「歩道の中央から車道寄りの部分を通行する」

チリンチリンとベルを鳴らして歩行者を退けるなんて、もってのほか。

 

「車道は怖いから走りたくない」という気持ちは理解できますが、だからといって歩行者の通行を妨げていい理由にはなりませんよね。

 

自転車で歩道を通行する際は、歩行者優先を忘れないようにしましょう。

ルールを守らずにもし怪我をさせてしまったら、100%自転車が悪いことになりますよ。

 

自転車が歩道を通行することができる条件を満たしていないのに歩道を通行した場合は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

 

一時停止を無視するのは危険!

道路には、あちこちに「止まれ」の標識があります。

それは自動車が対象であって、自転車は関係ないなんて思っていませんか?

 

自転車は「車両」ですので、この一時停止義務の対象になるんです。

もし一時停止を守らないと、どうなると思いますか?

 

一時停止の義務がある交差点では、多くの場合は交差する道路には一時停止義務がありません。

そうすると、一時停止義務のない道を自動車が普通に走ってくる場合があるんです。

自動車の運転手の中には、「あっちが一時停止なんだから止まるはず」と決め付けている人もいます。もちろん運転手にも非がありますが、自転車も違反をしているので、法律は全面的に自転車を守ることはできません。

「道路を横切るわけじゃなくて、左折するんだから止まらなくていいよね」なんてこともありません。

もし交差する道路が狭い道だったら、自動車は端に寄って走っているかもしれません。

交差点内に前輪を出したところでぶつかってしまいますよ。

 

また、踏切を横断する際や歩道を横切る際、さらには横断歩道を歩いている歩行者がいる場合も、一時停止の義務があることを忘れずに。

自転車の一時停止義務違反は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

 

横断歩道の通行は?

自転車横断帯のある横断歩道では、自転車に乗ったまま通行できます。

ですが、自転車横断帯がない横断歩道はあくまで「歩道」です。歩行者がいたら、自転車は降りて横断しなければなりません。

 

以前、気になったんで白バイの警察官に確認したことがあります。

「信号機のない横断歩道で、自転車に乗ったまま渡ろうとしている人がいる場合、自動車は譲らなければならないんですか」と。

警察官の答えは「譲らなくても違反にならない」ということでした。

「ただ、安全を考えるなら譲ったほうが無難ですけどね」とも。

 

自転車は車両なので、当たり前ですが法律は歩行者並みの保護はしてくれません。

信号機のない横断歩道で歩行者に道を譲らない自動車もたくさんいますが(これはこれで大問題)、自転車に乗ったまま待っていたら、車両なのだから譲ってもらえなくても仕方ありません。

自転車から降りて待っていれば、譲らない自動車のほうが違反になるわけですし、停まってもらえる確率も上がるんですから、横断歩道では自転車を降りるほうが無難ですね。

 

なお、自転車が横断歩道を横断する歩行者の通行を妨げた場合は、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金です。

 

その他に注意すべきこと

ここまでは私が車を運転していて目にすることを挙げてきましたが、それ以外にも自転車の交通ルールはたくさんあります。

  • 飲酒運転
  • 二人乗り
  • 無灯火
  • 並走(並走可の標識がない場合)

これらはすべて、道路交通法で禁じられています。

その他にも、傘さし運転やスマホを見ながらのながら運転、イヤホンやヘッドホンで音楽を聴きながらの運転も条例違反となる地域があります。

 

安全を確保するのは、自分自身のためでもあります。

「知らなかった」「これくらいいいじゃん」で命を落としてしまうほど、馬鹿馬鹿しいことはありません。

まして誰かの命を奪うようなことになってしまったら、残りの人生は大変なものに。

 

自転車を運転するときは、自分が歩行者として歩いていることを思い出しながら、安全に配慮した運転をしましょう。

万が一の備えに、自転車保険への加入も忘れずに!