敏感で繊細、感受性が強く共感能力の高いHSPは、その気質ゆえに人との交流があまり得意ではない人が多いようです(HSPについての解説はこちらの記事へ)。
私自身も他人との交流はそつなくこなしているふりをしていますが、実はとても疲れるので苦手です。
そんなHSPですから、恋愛がうまくいかなかった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。
だからといって、HSP気質を持つ人が恋愛や結婚に向かないと決め付けるのは早計です。
HSPでも幸せな恋愛や結婚をしている人はたくさんいます。私もそのひとりです。
もくじ
HSPだって恋愛も結婚もできる
5人に1人のHSPですから、「HSPだから結婚や恋愛ができない」なんてわけがありません。
2017年の生涯未婚率は、男性23%、女性14%です。この時点ですでに、女性の生涯未婚率は「5人に1人」以下です。
さらに未婚者には同性愛者もいれば、結婚する気がない人も、家庭の事情や経済的理由などで結婚できない人もいます。
そういった人たちが全員HSPであるはずがありません。つまり、結婚しているHSP気質の人はたくさんいるんです。
HSPだから結婚できないのではなく、HSPだから他人と上手くやっていける自信がないだけのことなんです。
HSP気質の恋愛傾向
HSP気質の人は他者の気持ちに敏感なため、男女問わずどうしても「尽くす恋愛」になりがちです。
もちろん私も例に漏れず、気分を害さないように、喜ばせられるように、一緒にいたいと思ってもらえるように、とにかく自分のことは二の次で尽くし続けてばかりでした。
また、HSPの中には恋愛に依存する傾向が強い人も多いと言われています。
これは私なりに分析してみました。
自分という人間が他者に必要とされていると最も感じるのが、恋愛なんですよね。
すぐに人の心の裏側を読んでしまうHSPは、他者の本音と建前を深読みします。
「恋愛」という関係は、基本的には建前ではないはずのもの。
だからこそ社交辞令ではなく自分と接してくれる恋人に依存してしまうのではないでしょうか。
尽くしすぎてしまったり、依存しすぎてしまったり。それがHSP気質を持った人に多い恋愛の傾向なのではないかと思います。
HSPのパートナーに向かない人
前述のように、尽くしてしまいがちなHSP。
ですが、それを当たり前と受け止められるようになると、苦痛を感じます。
尽くされることを当たり前と受け止めてしまう人は、HSPのパートナーには向かないでしょう。
もうひとつ、これも私の経験に基づいたものですが、「他者への思いやりがない人」もHSPのパートナーには向かないかもしれません。
たとえば誰かのコンプレックスを笑いのタネにして「いじっているだけ」と思っていたり。
困っている人を見ても平然と通り過ぎることができたり。
車の運転なんかは、特にわかりやすいですよね。
明らかに譲れるタイミングなのに譲らなかったり、煽ったり。
何かあるとすぐ人のせいにする人もいます。
HSPは、他者への共感能力が非常に高いという特徴があります。
そんなHSP気質を持つ人のパートナーには絶対に向かないのが、思いやりのない人です。
些細な棘でも積み重なれば大きな痛みになり、いつかあなたを押しつぶすかもしれません。
一口に言ってしまえば、「ありがとう」と「ごめんね」が言えない人は、HSPのパートナーには向かないのではないかと私は思っています。
価値観が全く同じ人に出会える確率は極めて低い
よく結婚した理由についてのアンケートで「価値観が同じ」ということが挙げられますよね。
逆に、離婚理由で「価値観の不一致」というのもよく見かけます。
でも、価値観が100%同じ人に出会えることなんて、まず有り得ません。仲のいい家族ですら、多少なりとも価値観の合わないところはあります。
とはいえ、価値観は近いに越したことはありません。
大切なのは、あなたが「譲れない」と思う部分での価値観が合う相手であることです。
私の場合は、前述のように他者への思いやりです。
あなたの場合は何でしょうか?
その「譲れない部分」の価値観が合わない人とは、残念ながらずっと一緒にいると苦痛を感じるようになるでしょう。
逆に言えば、譲れない部分の価値観が合っているのなら、多少の食い違いは諦めて流すことができるはずです。
結婚は、他人との共同生活です。
どちらも全く我慢せずに暮らすなんて、そうそうできるはずがありません。
HSPじゃない人が辛さを分からないのは当たり前
当たり前のことですが、5人に1人がHSPだということは、他の4人はHSPではありません。
つまり、HSPが何を辛く感じるかなんて、HSPほど他者の気持ちに敏感ではない人にわかるはずがないのです。
HSPにとっては相手の気持ちを慮るのが当たり前なので、察してもらえないことに苛立ちを感じるかもしれません。
でもHSPではない人からしてみれば、「言ってくれなきゃわからない」んです。
ですから自分がHSPだと気づけた人は、大切な人には伝えましょう。
HSPの特性を知ることができたということは、同時にそれがHSPではない人にはわからないと知ることができたのですから、伝えることで自分の辛さを軽減できるチャンスかもしれないですよ。
たとえばパートナーに「ごめん、私は一人の時間が取れないとストレスが溜まっちゃうっていう性質があるんだ」とか、「私は生まれつき五感が人より過敏すぎて、大きな音は苦手なんだ」とか伝えることができるんです。
それを理解してもらうことで、あなたの辛さは少しでも軽くなるはずです。
HSPという気質のことは知らなくても、ひとつひとつの特性について説明することで伝わることもあるんです。
そこで「そんなんじゃダメだよ、克服しないと」と押し付ける人や理解しようとしない人とは上手くいかないと判断できる材料にもなりますしね。
まとめ
- HSPだって恋愛も結婚もできる
- HSPの恋愛は尽くしすぎ・依存しすぎの傾向がある
- 他者への思いやりがない人はHSPのパートナーに向かない
- 譲れない部分の価値観が合う人であることが大切
- 大切な人には自分が何を辛く感じるか伝えよう
もちろん結婚せずひとりで過ごすことの方が好きなら、それはそれで構わないと思います。
けれど自分はHSPだから恋愛できないとか結婚できないとか、そう決めつけてしまうことはとても勿体無いことです。
HSPでなくたって、いいパートナーに出会えていない人はたくさんいますし、結婚に失敗している人もいます。
その逆で、HSPでも幸せな結婚をしている人は必ずいます。
「自分はHSPだから」と自ら他者との間に壁を作ってしまわないように、もっともっとHSPをポジティヴに受け止められたら人生は変わりますよ!
コメント
とても勇気が貰える内容でした
HSPだから恋愛できない訳ではない、そう言った言葉に救われます
HSPだって、恋愛したい!幸せになれる!HSPをポジティブに、自分に持ってる力だと思い、前に進んで行きます!
by まっつ 2020年8月24日 22:33
お返事がすごく遅くなってしまい、本当にごめんなさい(>_<) ネットを見てるとやっぱり「HSPだから恋愛や結婚ができない」と悩んでいらっしゃる方が多くて、記事にしてみました。 まっつさんが少しでも前向きになれたなら、本当に嬉しいです! HSPだからこその良さも必ずあるので、ご自分を責めずに少しずつ前を向いて歩いてくださいね♪ 私も超マイペースながら、ゆっくり歩いていきます! 遅くなって、本当に申し訳ありませんでした(;_;)
by 西永 江利佳 2020年10月19日 00:27
HSPと回避性パーソナリティ障害は直接の関係はありませんが、言葉はよくないかもしれませんが、併発している人は結構いる気がします。
どっちがより恋愛に向かないかといれば回避性の方でしょう。
ただし、回避性の場合は一方的に好きになってくれてまず(絶対と言いたいところですが絶対はないと思いますので)裏切らないというのを見せれば成立するように思います。つまり相手のことを何も知らなくても好きになってくれる特に美女や美少女の場合でしょうね。イケメンもあるかもしれません。現代においても声をかけるのは男性が多いようですが、女性が積極的になればイケメンもいけます。でも多分男性の方が積極的でしょうし、異性を選ぶ基準で容姿に重きを置くのは男性がの方でしょうから、回避性でも美女や美少女は恋愛できそうです。
上のコメントに反するコメントになってしまいますが、HSPの程度によってはその美女や美少女も気にかかる点が結構あって苦労するかもしれません。
by すずき 2021年3月27日 04:27
>すずきさん
コメントありがとうございます。
精神医療の分野となると、私は医者でもなんでもない素人なので、語れることが何もなくて申し訳ありません……。
障害をお持ちで苦しんでいる方の場合は、やはり精神科や心療内科などの専門家の意見を聞いたほうが安心ですね(^_^)
私の場合は知人や自身を含め、回避性パーソナリティ障害と思われる該当者が周囲にいないため、何とも言えず……重ねて申し訳ありません。
といっても、私の知人は社会人になってから出会った人ばかりですから、社会的接触を回避している回避性パーソナリティ障害の方と出会う機会がないのも当然と言えば当然かもしれません。
現実世界でHSP気質を持っていると知るのは、それなりに深い話もできる間柄になっている相手でしょうから、回避している方と深く知り合うことが難しいということもあるかもしれませんね。
とはいえ、HSP気質が土台にある上で何かしらの障害を持ってしまう人は、少なくないかもしれません。
すずきさんのおっしゃるとおり、回避性パーソナリティ障害の方の中にはHSP気質を持った方も多いのかもしれませんね。
回避性パーソナリティ障害の方の恋愛については、私は当事者ではないため憶測でしかないこと、医療従事者でないこと、そしてこのブログで扱っていない内容であることを踏まえて、大変申し訳ありませんが発言を控えさせていただきます(ノ_・、)
ですが、すずきさんのお話は、恋愛の問題で悩んでいる方の一例としてとても勉強になりました。
コメントありがとうございました♪
by 西永 江利佳 2021年4月7日 15:38
はじめましてじぇねといいます。男性、34歳、彼女いたことがありません。死にたいです
どうせ無意味なので死にたいです。死んだ方がいいんです。
もういやだ
HSPじゃないやつら、モデるやつら、女性を怖がらない奴らがうらやましい。
もう無意味なんです
静かな世界で消えて無くなりたい
HSPでも恋愛ができるというなら、なぜ私は恋愛ができないんですか。死ぬべきだと神様が言っているということですか。
by じぇね 2021年10月4日 23:44
じえね様
お返事が遅くなってしまい、申し訳ありません。
とてもお辛い思いをされているのですね……。
そのお気持ちは、きっと見ず知らずの私に何かを言われたところで癒えるものではないと思います。
ですから、あくまで私個人の考えとしてお返事させていただきますね。
>HSPでも恋愛ができるというなら、なぜ私は恋愛ができないんですか。
「彼女がほしい」が出発点になってしまうと、恋愛とは呼べないのではないかと思います。
「好きな人と付き合いたい」が、恋愛の出発点だと思うんです。
そして、好きな人と両想いになれるというのは、HSPとかは関係なく、ほとんどの人にとって非常にハードルの高いものです。
むしろ好きな人とは通じ合えないのが普通なのではないかと思うほどです。
また、「パートナーが欲しい」が出発点なのであれば、マッチングアプリなどを活用するのが近道なのではないかなと推測します。
「彼女ができないから自分には価値はない」と思ってしまうことは、とても勿体ないと思います。
価値って、その人の行動次第だと思うんです。
たとえば前を歩く人が財布を落としたとして、後ろを歩くじぇねさんが「落としましたよ」と渡してあげたら、落とした人には恩人ですよね。
その財布を財布を失くしていたら、人生を左右する出来事に失敗したかもしれない。
具合が悪そうな人を見かけて救急車を呼んであげたら、その人の命にも関わる事態だったかもしれない。
それだけで、じぇねさんはとても価値のある人になるんです。
人の価値を決めるのは、異性からの評価だけじゃないんです。
せっかく共感能力に長けたHSPならば、そこからたくさんの「ありがとう」を貰うことができるはずです。
じぇねさんには、魅力的な男性を目指すのではなく、魅力的な人を目指してほしいです。
そうすれば自ずと、男性としての魅力が生まれます。
「誰かのSOSを敏感に拾えること」
それは、とても大きな長所になります。
そんな長所を持った男性は、女性の目にも魅力的に見えるはずですよ!
そして、とても大切なこと。
ご自身を愛してあげてください。
何があってもじぇねさんの味方でいてくれるのは、じぇねさんご自身のはず。
自分を大切にできない人が、他人を大切にできるわけがありません。
ご自身を褒めてあげるところから始めたら、他人を褒めてあげることもできるようになるのではないでしょうか。
まずは「自分には価値がない」という考えから離れて、ご自分にできることを探してみてください。
偉そうに感じられてしまったら申し訳ありません。
また、お返事が遅くなってしまったことを重ねてお詫びいたします。
by 西永 江利佳 2021年11月16日 14:53